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スタッフ見聞録

2015. 6/13-24
東西グリーンランドとアークティック・ウミアックライン船旅


東グリーンランド、タシーラク


クルスクからタシーラクまではヘリで僅か10分。

レイキャヴィークやヌークなどの町と直行便で結ばれているクルスクではなく、ここからヘリで行くしかない陸の孤島のようなタシーラクこそが東グリーランドで最も大きな町。




そこはまさに神々の領域。



息を呑むっていうのはこういう時を言うのでしょう


ところでこれですが、何を連想するかが分かりました。



タイルです(浴場とかの)。


タシーラクのヘリポートに到着。

降りて歩いてすぐ小屋があって(一応ヘリポートターミナル)その中を通って外に出て待つと荷物が軽トラで運ばれてくる。

ここからホテルまでいまいち距離感が分からず、英語できる人をつかまえて尋ねたらホテルに電話してくれ、あっという間に送迎車が来ました。

そういえば往復の送迎は含まれているんだった。



距離的には近いんでしょうが、何せすごい坂だらけでキャリーなんか運べたもんではありません。

←高台にあるホテル・アンマサリク。

アンマサリクはタシーラクに改名する前の地名です。


後ろから見るとこんな感じ。

圧巻の眺めです。




中は改装したてのようにキレイです。




レセプションに続いてレストラン、左がバー、手前がロビーというシンプルな構造。開放的で明るく、白木や石など自然のものを使ったインテリアで好感がもてます


部屋は湾に面して眺め最高。

客室も想像よりずっとキレイ。

バスルームも例えばレイキャヴィークのスタンダードホテルと同等レベルで全く問題なし


部屋の窓からの眺め。

雲行き、海の表情、町の様子・・・。常に全体を見渡せるのがいい。

ヘリが来ると分かるので運航状況も一目瞭然。


明日の天気は今日よりよくないと言うので、午後からボートツアーに行くことにしました。



沖まで出て行って折り返して約2時間のツアーです。

最初すごくスピードが遅くて、湾内だからかなーと思っていたらずっとそのままでした・・・。

サイズ的には小さいですが青く美しい氷が沢山浮いています。
東だけの旅行ならぜひ乗った方がいいし、これから西へ行く場合も手始めに乗った方がいいでしょう。



こういう山岳風景こそが東グリーンランドならではのものです。



夕食は日替わりの定食のようです。
セルフサービスで好きなものを好きなだけ取るスタイル。

今日は分厚いローストポークで美味でした。

隣にいたヨーロピアンらしき夫婦はベジタリアンのようで、肉を食べないとなると他には付け合せの野菜だけなので安くない夕食代を払って気の毒だなあと思いました。

なかなか難しいかもです。グリーンランドでベジタリアンライフは・・・。




翌朝、起きたら8時半をまわっていました。時差ボケで夜中か明け方に起きるのに(日がたつにつれ目覚める時間がずれていく)、全く珍しいことです。

あわてて9時ぎりぎりにレストランに行って「寝坊しちゃった」とおネエちゃんに言うと、
「急がなくていいですよ。ゆっくり食べてくださいね。」だって。
これには感動。バイトのおネエチャンがなかなか言いませんよこんなこと!



小雨が降ったり止んだりというちょっと残念な天気です。

が、1日ボーっとしているわけにもいかないので雨具を着て出かけます。

ホテルからこの風景を見下ろしながら下って行きます。
風がない日は湾に山が映って一層神秘的
こんな鉛色の海もまたシブい。



しかしこの坂、半端じゃないです。

冬、これを登ったり下ったりするのを想像したくありません


この町というか村というか集落・・一応人口は2千人近くあるようですが、そもそも家が先にあって、その後で無理やり舗装道路でつなげた感がありますね。

なのでそれぞれの道が多角的に曲がっています・・・。
荒波のようにうねっているというか。


←こういう非実用的な道標、好きですよねー。

クルスクまで24km。

さすがにTokyoは無い・・・。



ここはフラワー・バレーとして知られているハイキングコースの入り口。

まだまだ残雪があって全然無理そうです。

少し歩いてみたかったのですが、この辺り、犬が沢山いて怖くて行けず(つながれてはいたけど)。

やはり花とかハイキングとかは7月以降でしょうね。


スーパーマーケットを探してウロウロしました。何度か前を通っていたのに。

スーパーマーケットってのは間口が広く遠くからも目立ちガラス張りだったりして入りやすい大型店舗っていう思い込みがありました。
いかん。これぞエスノセントリズム。

ここは中が全く見えなくて扉も小さく、倉庫か何かにしか見えない。でも地元の人が分かってればそれでいいわけなんですよね。


しかしこの山々は視界に入るたび美しいと思います。

海際に向けて下って行ってみました。


海岸は水際近くまで近づけます。



ここにオーロラが映ったら・・と思うとゾクゾクします

凍る前の秋頃に狙ってみたいですねえ・・・。

黒い点みたいのがヘリです。


これはハウルの城のモデルか?
カラフルな家が多い中、ごっついシブい家に見とれました


ホテル・アンマサリクは正直言ってあまり期待してなかったのです。この土地で唯一のホテル(ゲストハウス的なところは除き)だし、競争がなくゆるくやっているのかなと思っていました。
ところがマネージャーや季節雇いのスタッフも含めて皆しっかりしているし食事は平均レベル以上だし館内の管理もきちんとしている。

フランスから来ているバイトのオネエちゃんにドラフトビールはないよねって聞いたらそれは何だと言われたのが唯一残念だったくらいで・・・。


←2日目のランチ


きれいな英語を話すレセプションのおっさんは元山屋という風情で66Northのフリースをカッコよく着こなして、話に無駄がなく特に愛想がよいわけでもないけど何か信頼できる感じ。


←3日目のランチ


出立の日。約1時間のディレイで出発。

このタシーラクよりはむしろクルスク空港が問題で、夏は霧、冬は風で遅延や欠航は日常茶飯事。

予定が何日か狂っちゃってもまあ仕方ないかな、くらいに考えてくださる方じゃないと難しいところなのです。私はラッキーでした。


ようやく太陽光の片鱗が現れたか・・・。

後ろ髪引かれる思いで飛び立ちます。




しかし・・・ここにはまた来たい。

この海が夕闇や朝焼けに染まるのを何としても見たい。

ホテル・アンマサリクのおっちゃんにもまた会いたい。
写真撮れせてもらえばよかったー。妙に印象に残るおっちゃんだった。