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スタッフ見聞録

2011.3/30-4/08☆
沿岸急行船最北部とアビスコ&ロフォーテン


トロムソからナルヴィークへ


トロムソに別れを告げ、アビスコへ向けて出発。
ナルヴィーク行きのバスは写真のツーリストオフィスの裏から出ます。
30分前に行ったらすでに沢山の人。日曜日だからでしょうか。
殆どが若者でした。
ナルヴィークまで340クローネ。
4時間のバスの旅です。
車内から写真が撮れなかったのですが、全行程を通じて素晴らしい風景の中を走りました。
しばらくは右側にフィヨルドを見ながら、やがて内陸に入ると切り立った山や僅かに溶け始めた湖など幾つも越えながら走ります。雪景色と黒い岩肌と氷の切れ目から覗く海や湖水の深い色。天候はめまぐるしく変わり、青空が広がったと思えば雪がちらつきザーザーと雨が降り・・・。車窓の眺めに飽きることなく、4時間はあっという間に過ぎました。
途中、短い休憩がありました。
バスはナルヴィーク駅建物の裏側に着きます(写真は正面)。
ツーリスト・インフォメーション窓口兼駅待合室は若い人でいっぱい。
大きなハードスーツケースを引いてたらかなり浮いたでしょう。
今回はバックパックと機内持ち込みサイズのソフトキャリーで正解でした。
いわゆる電車の”ホーム”に相当するものがなく、本当にここでよいのかと英語で話していたスウェーデン人とフランス人の間に乱入して聞くと、
直訳すると「少なくてもボクたちはそう信じてここにいる」
あ、そう。
長い車両を連ねた電車にとりあえず乗り込み、切符は車内で買います。
ナルヴィークは国境の町で、ここからはスウェーデンに入ります。
車内ではノルウェークローネも使えますが、お釣りはスウェーデンクローナ。
アビスコで多少は必要だからこのお釣りは重要なのです。
走り出してまもなくフィヨルドが現れ、さらに深い渓谷に沿って走ります。
この眺めが「息をのむ絶景」かどうかは、どちらから来たのかによります。
ノルウェーから来ると、既に見てきたもののひとつの風景にすぎません。
しかしスウェーデンから来た場合は、この切り立った光景に目を見張るでしょう。
車内では立ち上がって重い窓を引き下げ、その隙間にカメラを置いて撮るしかありません。冷たい空気が入り込むため他の乗客の手前その都度窓を開閉する必要があり、また目の前の電線が非常に邪魔です。なので残念ながらこの間の撮影はあきらめ、風景は瞼に焼き付けることにしました。

アビスコまでの風景は今まで旅してきたのとは別世界でした。
山らしい山がなく、見渡す限りの白い平原、なだらかな丘陵。その分雪が深く、積もったばかりのような純白の世界です。
内陸へ向かうほど天候は回復し、澄んだ青い空から太陽が降り注いで白い大地が一斉に輝きます。
その圧倒的な広がりは素晴らしく、一日だけでもスウェーデンに入ることができて本当によかったです。
約1時間半でアビスコ・ツーリストステーションに到着。
私もアホでしたが向かって反対側に降りてしまい膝まで雪に埋まり、じたばたしていたところ駅員が反対側へ誘導してくれました。
日本では降りるべき方のドアだけが自動で開きます。
そういうのに慣れてしまっているんですねえ。
しかし目に付く建物といえばこの駅舎のみ。
はて・・・?
あたりを見回して向かい側にある建物を発見。
トレイルの標識はあっても「ツーリストステーションはこっち」というのが無い。
多分当たり前だからでしょうね。
雪で道が分かりにくくなっていて、見えているのになかなか行けませんでした。
ここでは五感を目覚めさせる必要があります。
倉庫みたいな建物を横目に見ながら、レセプションのある本館を探し当てます。
ここからもラポーテンが見えていますが、電線が邪魔で写真が撮れません。
犬連れの人も結構いました。
本館には入れないのでこうしてじっと主人を待っています。
近寄ると目をそらしたまま遠吠え・・。
中に入るとレセプションとショップがあります。
ショップには自炊する人のための食品・簡単な食材、サンドイッチやアルコールを含むドリンク類、アウトドアグッズ・衣類、地図などが用意されています。
レセプションの担当者、ショップの店員共に非常の好感が持てる対応でした。
部屋は1Fの奥。
簡素ですが清潔で暖房もばっちり効いています。
ここでもネットがフリーで使えます。
バスルーム。
こちらも簡素ですが問題なし。
着いたのは夕方4時半頃ですが、まだまだ行動時間があります。
幸いよい天気。早速周囲のトレイルを歩いてみることに。
これはキッチン付のキャビンです。
自炊するかはともかく、ファミリーで過ごすには最高です。
宿泊施設の周囲に、ウォーキングや散歩にぴったりのトレイルが用意されています。
レセプションでチェックインする時、簡単なマップがもらえます。
トルネ湖畔へ出る道もあり、オーロラ観測にもよいと思います。但しヘッドランプやしっかりしたシューズ、携帯など、近いとはいえ安全対策を万全にして自己責任で行う必要があります。
渓谷にかかった橋。歩きやすいのはここだけ。
トレイルをぐるりと一周しても1時間足らず。
でも雪が深いので北国の方以外はそれだけで新鮮な楽しさがあり、よい運動になります。
足跡の上を歩かないと、いきなりがくんと雪の深みにはまり、焦ります。
冬季にトレイルを歩くならスノーシューのレンタルを利用するか、スキーブーツなどで膝下までカバーしないと。
今度はラポーテンの写真を撮りに、線路の反対側へ来ました。
ショップで地図を見ていたらスタッフが声をかけてきたので、撮影スポットを聞き出しました。
ヌオーリャ山の言わば山スキー場。
ゲレンデでしか滑ったことがない人や初級者は近寄らない方がよい、ツワモノ向の世界です。
この先にリフト乗り場があり、中腹のカフェへ上がれます。
残念ながら今回は時間的に行けません。
12月から3月中旬くらいまで、夜はオーロラステーションとしてオープンします。
これが有名なトレッキングルート、クングスレーデンの入り口。
いつかぜひぜひ歩いてみたいと思います。
この辺りからのラポーテンは邪魔な電線が無く、きれいに撮れる手頃な場所と言えます。
もう少し粘れば夕焼けが撮れましたが・・・。
でもここにはきっとまた来ると思います。
朝食はあきらめて(07:30から)、7時23分発のナルヴィーク行きに乗ります。
グレート、ホワイト、パープル、イエローな朝の空。
とにかくここは空が大きいのです。
心に広がる印象もまた大きく、非常に短い滞在でしたが強い印象が残りました。
風景もさることながら、ツーリストステーションのスタッフの対応のよさには驚きました。
あんな競争のないところでなぜ・・?とずっと考えていました。
これだけはと車内から撮った、朝のラポーテン。
やはりこのエリアは晴天率が高そうです。内陸はずっと晴れていて、ナルヴィークへ着いたら雨でした。

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