今回、日本では新型コロナ感染症がピークを迎えようとしている直前で、世界的にはヨーロッパで感染者が出始めているという状況の中出発しました。中止も検討しましたが仕事上の関係で決めた時期でもあり、ヨーロッパでこのように急激に悪化するとは思わず、楽観視していたのですが…。
3/7関空発、ヘルシンキ着→翌トロムソまでは特に何もなかったのですが、3日目、沿岸急行船のチェックインの行列に並んでいるときにコロナの確認書に記入を求められました。渡航歴の中に中国・韓国・イランなどはありましたが、Japanの文字はなかったと思います。が、チェックインの順番が来たときに日本人は乗船できないと言われて呆然となりました。幸い、担当の方が船長に確認したところ、OKが出たので乗船できました。不思議に思ってネットで調べると、3/8に日本を含む感染国からの入国者は2週間の自宅待機勧告が出たのですが、翌3/9に対象国の定義が「大幅に感染が拡大されている地域」に変更され、これに日本は含まれないためにOKになったのだと思いました。恐らく船長は把握していて担当の方は知らなかったのだと思います。まぁ1日でこんなに変わるとは思わないですよね。出発の翌日からこのように急激に状況が変化していることを知り、上記情報源となった外務省の「たびレジ」に登録してメールで送られてくる最新情報をチェックするようにしました。
一度対象国から外れたのだから戻ることもないだろうという無理矢理な安心感で旅行を続けていたのですが、トロムソから移動してスボルバーに滞在していた3/12、対象が感染国から健康状態に関係なく全ての外国人に変わりました。ここで慌てて宿泊しているホテルに相談し、チックさんにメールで連絡をしました。ホテルも知らなかったので対応を検討するとのことでしたが、翌3/13、チックさんの旅行中断案に従って急遽帰国することにしました。丁度この日、ノルウェーへの外国人入国は拒否されると発表がありましたので、迅速で適切な判断だったと思います。以降のキャンセル手続きと帰国のための飛行機・ホテルの予約をお願いしていましたので、元々予定していたチェックアウト後にスボルバー→ボードー→オスロに移動、翌3/14にオスロ→ヘルシンキ発で帰国しました。
出発前に最悪の事態は想定し、旅行保険に旅行中断オプションを追加し、念のため海外携帯と翻訳機を空港でレンタルして持参していました。翻訳機は1度しか使いませんでしたが、携帯はチックさんと連絡を取るのに役立ちました(自分のスマホは訳あって使えなかった)。今回のようなリスクは回避することはできませんが、リスク軽減のため2重3重の手を打っていたことが幸いしました。
■各地での観光
【ヘルシンキ】:状況がよくわからず、もしかするとコロナ差別に遭うかも?と身構えていましたが、何もありませんでした。ただ、若者にバス代をせびられましたが断りました(笑)。
ヘルシンキは2度目で、テンペリアウキオ教会など有名どころだけでも再訪する予定でしたが、トランジットで1日立ち寄っただけですので時間がありません。ここで活躍したのが電動キックボードのシェアリングサービスのLimeでした。ヨーロッパの主要都市ではこのような電動キックボードが街中の至る所に放置されており、スマホで登録するだけで自由に使って放置できると聞いていたので、試しに乗ってみました。使ってみると非常に便利で、電車・バスの路線調べや待ち時間も必要なく、徒歩では行けない遠くまで行くことができ、予定外のところまで見て回ることができました。
【トロムソ】:トロムスダーレンのケーブルカーで上りましたが、天候に恵まれず早々に下りました。トロムソはもう何度も来ていますが、変化が激しいですね。沿岸急行線等のターミナルビルができていましたし、前回よく食べに行った安くておいしい中華屋さんが無くなっていたのはショックでした。
【スボルバー】
ここでも天候に恵まれず、前回のように素晴らしい景色を堪能することはできませんでした。今回の旅行の目的はスノーシューを持参してロフォーテンの山々の雪原をハイキングすることで、リンケン山はその第一歩でした。初日に登りましたが、翌日は一日雪だったので街中や戦争博物館を見るだけで終わりました。そしてその夜、上記の通りの状況変化によりここで中断となりました。
【オスロ】:ボードーから移動して1泊、ヘルシンキへの便はお昼だったので、午前中にオスロ市内のムンクの「叫び」が描かれた坂まで行ってみることにしました。このときもLimeが大活躍、むしろこれがなければタクシーでも使わない限り行って戻ってくることはできかったと思います。
(ただ使い方を間違えると結構高価ですし、安全面からも全ての人にお勧めできるものではありません)
■最後に
スボルバーの後はヘニングスバー、ランベルグに宿泊してハイキングするのが旅行のハイライトの予定でしたが、残念ながらその直前で中断となりました。またいつかリベンジしたいと思います。
今時はネットで航空券・ホテルの予約を取ることは簡単にできますので、自分ですべてやってしまおうかな?と考えた時期もありました。しかし、数年に一度しか旅行しない人間にはノウハウが溜まりませんし、今回のような事態で北極圏の田舎に一人取り残されたら、パニくって帰国も難しくなったことでしょう。やはり様々なノウハウや伝手のある御社のような会社にお願いできることは、いざという時に大変心強いです。
暫く難しい状況が続くかと思いますが是非乗り切っていただき、またお願いできる日の来ることを楽しみにしていますね。
ありがとうございます。心に沁みます。