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スタッフ見聞録

2015. 10/21-9泊11日
ナポリからブルージュへ~南から北へ旅した秋のヨーロッパ


チンクエ・テッレ、5つの町めぐり



フィレンツェから約1時間半、ラ・スペツィアにやって来ました。
ここはフィレンツェ方面からチンクエテッレへ行く時のゲートシティです。
駅構内にあるインフォメーションに置かれている資料を見ると、中国語と日本語の文字も見えます。



チンクエテッレカードを買うのはインフォメーションオフィスではなくて、同じくホーム上の数件先のチンクエテッレ・ポイント。
チンクエテッレの各駅に同じマークのオフィスがあります。



ここでチンクエテッレカード(左)と鉄道及びボートのタイムテーブルをゲット(ボートは別料金)。
結局検札があったのはラ・スペツィアからリオマッジョーレ区間だけでしたが・・・。
このカードは使い始める時に駅の機械でバリデーションしないと検札で罰金を取られます。
駅のマシンがうまく作動しなかったので来た電車に乗ってしまいました。
本当は50ユーロだけど5ユーロでいいとか言われ、仕方なく払いました。



とりあえず宿へ行って荷物を置いて行動開始とします。



この村はヴェルナッツァ。
ところでチンクエテッレが世界的観光地となったきっかけは、1970年代にアメリカのトラベルライター「発見」しこの土地を紹介したのが始まりだそうです。



細い階段状の路地を上がって行きます。



ここはホテルだと思って行くと面食らいます。
このドアの中はレセプションじゃなくて客室のひとつでした。
レセプションなどはそもそもなく、要は貸し部屋です。
着いたら電話すると、どこからかおかみさんが現れる。そこで支払って鍵をもらうというかたち。



おかみさんが留守なら待つしかないので、チェックイン時間を予め確認し、泊まる直前に来るメールも読んでおく必要があります。
苦労して登った甲斐あって、眺めはナイス。



さらに上に登るとこんな展望テラスも。



地図ではこんな感じです。
西から2つ目のヴェルナッツァが今回の拠点。
鉄道だけでなく海からの眺めも見たいので、まずはボートで西端のモンテロッソへ行き、鉄道で東端のリオマッジョーレへと折り返し、リオマッジョーレ→マナローラ→コルニリア→ヴェルナッツァと戻り、その後元気があったら再度リオマッジョーレへ行ってボートでヴェルナッツァへ戻ろう、と計画。



まずは地元ヴェルナッツァからボートに乗ります。
この時赤ちゃんを抱いた若い女性が降りてきて、コワオモテのおっさんすかさずフォローに走る。
イタリアの人のそういうところがいいなと思う。



海から見たヴェルナッツァ。



この日は歩いてる時は晴れて、海に出ると曇ってしまった。



隣のモンテロッソです。
船を降りてすぐ線路が見えるのでここから乗れるかと思いきや、駅はぐるりと登ってトンネルと通って行かなければいけないのです。



途中、こんな場所も。
チンクエテッレはどちらかと言うとカップルで来るところのようです。

こうして南京錠をかけて、鍵は海へ投げて愛を誓うってやつです。この辺の海にもぐると鍵がめちゃめちゃ落ちてるんでしょうね。



トンネルを抜けてビーチへ下ります。



鉄道の時間まで駅前で軽く腹ごしらえ。
もうビールさえあれば何でもいいって感じになってますが、何食べても美味しいです。



モンテロッサの駅です。



電車が来ました。
その都度、イタリア語と英語のアナウンスが入ります。



東端のリオマッジョーレで降りると、こんな看板が。
そういえばこの日はイギリス人のグループと中国人のグループがいて、添乗員らしき人がそれぞれチンクエテッレカードの説明をしていたなあ。



リオマッジョーレの海岸付近から。



チンクエテッレで最も人気の有名スポットはやはりこれ、「愛の小道」。



海岸付近のここから登って行くのですが・・・。


いまだに閉鎖中です。
2012年の夏頃、落石によりオーストラリア人観光客が重症を負う事故が起き、以来この状態が続いています。
4月にマノーラ側からは一部開通したそうですが・・・。



ここの鍵はさすがに半端じゃない数。



続いて隣町のマナローラへ。
「愛の小道」はリオマッジョーレからマナローラを結ぶ、徒歩約30分の道です。
今は皆鉄道で移動しています。



ここは上の方に街が続いているので、登って行ってみました。



するとかなり上の方に、雰囲気のある教会が建っています。



いかにも歴史のありそうな佇まい。



日当たりもいいんですニャ。



ここからマナローラ全体が見渡せそうです。



こんな感じ。
ひょっとしてこの左の建物はホテル?



今度1月に行かれるお客さんにこのホテルがいいなと思ったんですが、残念ながらその時期はクローズするらしく。
しかしここはナイスロケーションです。
登って来ると言ってもたいした距離ではありません。
チンクエテッレに泊まるなら候補地のひとつとなるでしょう。



さてその次の町へ。
コルニリアはチンクエテッレの5つの町のうちで最少、人口わずか250人ほど。
ここは最も印象に残った場所です。



ここに鉄道で来た場合、チンクエテッレカードで乗車できるバスに乗るか、階段でずっと登って行くかの選択肢があります。
とりあえず歩いてみます。
駅から続く長い直線を歩いた後、こんな階段を延々と登り続けます。
段差がゆるくて歩きやすいので、まわりのペースにまどわされずマイペースで登ればどうということはありません。



でもこれくらいの高さは登ることになりますのでそれなりの覚悟を。
線路が左下に見えていますね。



登り切った高台に集落があります。
どの家も眺め最高。



眺め最高のレストラン。



ここから眺めるお隣のマナローラは絶品です。



帰りはまた下ります。
帰りもバスが利用できますのでどちらかバスでもいいかもしれません。



一旦ヴェルナッツァの部屋に戻り小一時間休んた後、リオマッジョーレからヴェルナッツァの海からの風景を見るため再びボートに乗ります。



日中は光がぎらぎら過ぎるので、夕暮れ時の美しい時間帯を狙いました。



が、また曇ってきた・・・とほほ。



旅をふり返りながら、気づいたことがあります。
チンクエテッレは、歩いてまわるべきだったんではないかと。
なまじチンクエテッレカードなる鉄道パスがあるので、それを使うもんだと思い込んで?しまったようです。
正直、絶壁感と風景のダイナミックさでアマルフィを上回るとは思えなかったし、鉄道で順番に5つの町を訪れて観光客向けの店が建ち並ぶ通りや海の方を歩いてみても、なかなかピンと来なかった。

しかし旅行記を書きながら改めてチンクエテッレのことを考えてみると・・・。
小さな町(村)がせいぜい2-4km間隔で点在していて、常に海から離れない海岸のルートを取れば、全ての町を見て休憩しながら歩いてまわっても一日あれば可能なんですよね。
途中で疲れたり雨が降ってきたりしたら鉄道に乗ったりカフェなどで休んだり、マイペースで楽しめる。
これこそがチンクエテッレ観光の特徴なのではないかと。
ゆっくりと歩きながらこそ見えてくる、感じられるものがあるはず。


もし何泊かできるなら、ブドウ畑や石垣などを見られる山の上の方のトレッキングも興味深いものがあります。
この土地の人々が狭く痩せた土地でどうやって生きて来たか、その歴史を垣間見ることができるでしょう。



あと、すごい観光地なので電車は混みます(特に4-10月かな)。
週末は避けましょう。



眺めだけは、どこのレストランよりもこの部屋がベスト。