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スタッフ見聞録

2014.6/6-6/19☆
夏のイタリアと南フランス
ラングドック地方、カタリ派の城とカルカッソンヌ&トゥルーズ
延長になった鉄道ストのおかげでニーム→カルカッソンヌは2時間遅れでたどり着き・・・。

カルカッソンヌから1時間半、絶壁の上に見えているのはペイルペルテューズ城です。



カルカッソンヌやトゥルーズの歴史で必ず出てくるのがカタリ派のお話。

カタリ派とは11-13世紀に南西フランスで広まったキリスト教の一派で、ローマ法王より異端とみなされ厳しい弾圧を受けます。

追いつめられた信者たちはラングドック地方の険しい山の頂上に建つ城塞に身を潜めて信仰を守り続けました。

最終的には滅亡してしまうのですが、そうしたカタリ派の砦の廃墟が今もこの地に残っているのです。

中でも最もドラマチックな景観を持っているのが、この舌を噛みそうなペイルペルテューズ城。



パーキングからゆっくり廃墟の中を登って行きます。

どなたでも登れますが足元がよくないので、しっかりした靴をはいていかないと足を痛めるおそれがあります。



見下ろすと、この城を住民が協力し合ってメンテナンスしている村が一望できます



この景観がすごいのです。

城跡の一番上の方から見下ろしたアングルです。

見ごたえがありますね。

カルカッソンヌに戻って来ました。

今回はシテ側の古い方の橋の袂にある実に渋くお見事な小さなホテルに泊まりました。

小さな木の扉の中は、大変きれいに管理されていました。

部屋に案内されて、その広さにビックリ。写っていませんが、手前にソファとテーブルがあります。

ベッドとソファの間に6畳の部屋がひとつ入るくらいのスペースがあります。

シンク周りも広々して美しい。

ショールームみたいな一角。

深々としたバスタブに付いいるシャワーも素敵です。

インテリア雑誌の紙面のように隅々までこだわっていて、スキがない!

ひとしきり感心した後、シテの中心へブラブラ歩いて行ってみます



ホテルからは標識に沿って少し登って行くだけ。

例によってショップやレストランなどの建ち並ぶ石畳の道を登って行くと、ホテル・デ・ラ・シテがありました。


ドアマンも門番もいないので、ちょっと中を覗かせてもらいましょう


景色抜群のテラスです。

夜はさぞ素敵でしょう

昼間はこの手入れされたガーデンでお茶などしたいもの

とにかくここでは名物料理カスレを食べねば。

どこでもメニューにはありましたが、入りやすい大衆的なところで。

食前酒にこの地方の名産ブランケット・リムー(Blanquette de Limoux)を。

古代製法による発砲ワインで、シャンパンに似ているけどシャンパンみたいに高くないワイン。

「ブランケット」はバスク語で「炭酸ガスの入ったもの」という意味で、実は世界で一番最初の、泡の出る飲み物だそうです。

これがカルカッソンヌやトゥルーズ一帯の南西部名物、カスレ(Cassoulet)。

地方によって、店によって色々なレシピがあるのでしょうが、白いんげんをベースに肉を入れた土鍋料理って点では同じみたいです。

これを一人分食べるのはかなりハード。

白いんげんをドンブリ一杯食べるようなものなので。

ボーっととしているうちに暗くなってしまった。

夜はこのようにライトアップされて、妖気が感じられます。



ホテルの前の古い方の橋(ポン・ヴィユー)を渡ります。

この橋も電灯もまことに渋い。



渡ったところにあるのが、シテが一望できると言うので人気のあるホテル。




確かに一望できそうですね。



色んな角度を確認しながらウロウロしてみると、やはり一番眺めがよいのは新しい方の橋(ポン・ヌフ)でしたが。




満月の晩などに行ってみたいものですね

翌朝、ホテルの朝食タイム。

このしゃれたキッチン&ダイニングか、

中庭で食します。

むろん中庭を選択。

ここの朝食は今回の旅で、圧倒的な高みに位置していました。

自家製のプディング、ジャム。

甘くないパウンドケーキ、クレープ。

よくこんなものを朝から・・・と感心するばかり。


ネットが使えない、カードが使えない、扉は暗証番号を押して出入りするとか色々不便はあるものの、隅々まで行き届いた美への(食も含めて)こだわりがあっぱれな宿でした。

カルカッソンヌの駅まで歩いて行きました。

旧市街を通って行くので、荷物を引きながらでも特に長いとは感じませんでした。

このシテ外というか普通の街並みがなかなか活気があって良く、

むしろこの駅前のいい感じのホテル、テルミナスに泊まるのがいいんじゃないかと正直思いました。

さて、鉄道スト、まだやってます。

また2時間待ちを覚悟で行くと、トゥルーズまで代替バスが出るそう。
駅前でなかなか来ないなーと待っていると目の前を荷物を持って走って行く人あり。
もしやと思い追いかけてみると、駅の横に隠れるようにして分かりにくい駐車場があり、トゥルーズ行きのバスが今出ようとしていました。

こういうときは野生のカンも大事です。

トゥルーズ駅に到着。

堂々とした駅前。

クラシックな建物とプラタナスの大木がよく似合っています。

旧市街は雰囲気があって活気があって好印象です。

地元の若い人が多い気がします。

全体に建物がロゼワインのような色合いです。

旧市街の向こうは広い川があって、立派な橋がかけられています。

川べりは公園のようになっていて、市民の憩いの場になっていました。



余談ですがどこにでも売っているCasinoの洋ナシのタルトがめっちゃ美味でした。

全体としてフランスの食文化のレベルの高さには心底驚き感動しインスパイアされ、帰国後すこし料理の腕が上達したと言われました。

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