オーロラ鑑賞地とシーズン


ベストシーズンはいつか

とは、よく聞かれることですが、一言でお答えすることはできません。
オーロラ年間を通じて発生しています。
これを肉眼で見るための条件は、
暗いこと、及び晴れていることです。
オーロラ鑑賞が可能な時期は、夜が充分に暗くならない5月~7月(白夜の季節)以外、つまり8月から4月の約9ヶ月間です。地域により若干のずれはあります。


大きなオーロラは

3月と9月(春分の日と秋分の日辺り)に大きなオーロラが出やすいと言われます。 この頃オーロラの活動が活発になるようです。
旅行時期を選べるならこれらのタイミングがよいかもしれません(特にカナダ)。

オーロラ+α

オーロラは必ず見えるとは限りません。日中の楽しみ(犬ぞり・ハイキング・紅葉・オルカウォッチング・クロスカントリースキー・クリスマスマーケットなど)や他の観光地のシーズンも考慮するとよいでしょう。

ご都合にあわせて

寒さが苦手なら夏~秋の北米方面や、冬でもさほど寒くないトロムソ方面やアイスランド。
予算を抑えたいなら1月から2月&4月。
一般的な「ベストシーズン」にこだわらずに時期を選ばれてもいいと思います。

<夏のオーロラ>

夏のアクティビティも楽しめる。
逆さオーロラに出会えるかも?

冬のイメージのオーロラですが、北米・カナダでは8月上旬から夏季のオーロラツアーが楽しめます。
気候的にも過ごしやすい時期で、寒さに震えることなくオーロラ鑑賞に集中することができます。
日中はハイキングなど、夏ならではの楽しみ方もできるでしょう。
ユーコン・リバーでのカヌー体験も可能です。

人気の「逆さオーロラ」?

湖に映るオーロラを撮影できるのもこの季節ならでは。 カナダのイエローナイフでは、夏から秋には写真のような撮影が可能です。 水面が鏡の役割を果たせるよう、風がないことも「逆さオーロラ」の条件。

<秋のオーロラ>

黄葉・紅葉と組み合わせて。
日照時間が短く、夜が長く。

8月下旬から、極北地方では黄色やオレンジ色を中心とした、美しい秋の風景が見られるようになります。
ただし、景勝地を訪れる場合は日照時間に注意してください。 秋が深まるにつれ日照時間はどんどん短くなっていきます。
まだ雪も少なく雪明りがあまりない11月頃は、日が落ちると本当に真っ暗。日中の観光の時間は短くなってしまいます。
また、早く暗くなるからといって早い時間にオーロラが現れるとは限りません。

北米

<特にアラスカ、ユーコンでは紅葉とオーロラを狙って8月末頃から9月第1週頃にかけてはかなり混み合います。
地面が赤く染まるようなツンドラの紅葉独特の景観が楽しめます。
アラスカ・ユーコン北部
8月下旬前後から9月初旬前後にかけ、アスペンの黄葉とカバ類等の低木の紅葉が見事。
ホワイトホース近郊・カナディアンロッキー
9月中旬頃~下旬頃にかけ、アスペン黄葉が明るく彩り美しい。

北欧

秋景色とオーロラは、北欧でも毎年人気が高まっています。
アイスランドでは9月から、トロムソでは10月からオーロラツアーがスタートします。
アビスコ 9月上旬前後、一面に広がるカバ類の低木の紅葉が圧巻。アスペンの黄葉も交じり美しい。
アイスランド 9月下旬前後から10月初旬前後にかけ、ヘンギットル、スカフタフェットル国立公園などで見られるカバ類の低木の紅葉が見事。ゴールデンサークルツアーでもシンクヴェトリル国立公園を中心に、充分に美しい紅葉が堪能できる。

<冬のオーロラ>

北欧北極圏の幻想的なポーラーナイト(極夜)
犬ぞりやアイスフィッシング、スノーモービル体験も!

北米

-20℃、-30℃まで下がることもめずらくない北米の冬。
特に周辺に湖の多いイエローナイフでは湖が凍り、陸と水との隔たりがなくなります。 犬ぞりやスノーモービルで道なき道を行くことが可能になり、冬ならではの開放感が味わえます。

北欧

この時期はポーラーナイトと呼ばれる現象が特徴的で、北極圏では太陽が昇りません(およそ12月-1月中旬)。
日中でもせいぜい夕方くらいの明るさにしかならず、街には1日中電気が点いています。
日本から訪れる私達にとっては大変珍しく神秘的な現象で、空は微妙な色合いを呈し大変幻想的で美しい世界が生まれます。この時期の北極圏ならではの体験です。


海に映るオーロラ

ノルウェー北極圏トロムソは暖流の恩恵を受け、北緯69度の割に暖かいです。
トロムソ近郊はフィヨルドが入り組んだ景勝地。冬も凍らない海に映るオーロラが見れるのもこの地域ならでは。

<春のオーロラ>

日照時間長く、気候が安定。
旅行代金も抑えられ、穴場です。

オーロラツアーの人気は2月がピーク。3月下旬には動員数も減ってくるという傾向があります。
しかし近年、4月上旬頃までを中心とした、春のオーロラが注目されています。
この時期のメリットは、天候が安定していること、日照時間が長いので日中も色々行動がしやすいこと、航空運賃が安いこと。
デメリットは長い日照時間によるオーロラ鑑賞のスタートが遅いこと、明るくなるのも早いので鑑賞時間が少なめなことくらい。
まだまだ雪は残っていますが、カナダでは雪の状態がよくないので犬ぞりは催行しません。
グリーンランドのイルリサットでは年により5月でも犬ぞりが可能です。

オーロラ鑑賞カレンダー

お天気や季節のイベント、オーロラツアーの設定時期などをまとめました。
ただし、その年の天候によって変動することもあることをご了承いただき、大まかな傾向として参考に留めてください。

 ツアーが設定される時期
 宿泊先拠点でご自身で鑑賞可能な時期

時期 天候 季節のイベントなど イエローナイフ ホワイトホース フェアバンクス
8月 前半
中旬
後半 アラスカ・ユーコン北部で黄葉・紅葉
9月 前半
中旬 ホワイトホース黄葉
後半
10月 前半
後半
11月 後半~クリスマス・イルミネーション始まる
12月 前半
後半
1月 前半
後半
2月 オーロラ観光 ピークーズンへ
3月 前半
後半
4月 前半 春オーロラねらい目
後半
5月 前半

 ツアーが設定される時期
 宿泊先を拠点としてご自身で鑑賞可能な時期

時期 季節のイベントなど 天候 トロムソ アビスコ フィンランド グリーンランド アイスランド
8月 前半 天候
中旬
後半
9月 前半
中旬
後半 アイスランド紅葉
10月 前半
後半
11月 後半~クリスマス・イルミネーション始まる
北極圏でポーラーナイト始まる
12月 前半
後半 トロムソ県近海にオルカ到来~約1ヵ月間
1月 前半
後半 20日ごろ、ポーラーナイト終了
2月 オーロラ観光ピークーズンへ
3月 前半
後半
4月 前半 春オーロラねらい目
後半
5月 前半

服装と気候について

まずは下着から。


最もお勧めするのはアウトドアブランドで販売されている登山用のインナーです。
登山用品の中には極限の世界でも耐えられる優れた繊維を使った下着類があります。
厚さは薄手・中厚・厚手の3種類くらいありますが、室内と戸外を行き来することを考えるとあまり厚手でない方が使い易いです。保温性と速乾性に優れ、いつもサラサラで大変着心地がよく、洗ってもすぐ乾きます。長袖のTシャツタイプのものと、下半身が冷える方はスパッツタイプのものもあります。
薄手の物を重ね着するよりは、上質の下着一枚の方がはるかに効果的です。
日常的にも着回しがきくので、旅行が終ってもさらに活躍を続けるでしょう。下着としては高価ですが長く着ることができますし、新たに購入されても充分価値のあるものだと思います。

次に靴下。


防水性の高いスノーブーツを履くのなら、靴下は厚手のウール1枚を履くのがよいです。
薄手のものを重ね履きすると血行が悪くなって逆効果になる場合があります。
コットンは足先が冷えること、濡れると渇きが悪いのでお勧めしません。

北米


冬期(11-4月)
レンタル防寒具のご利用をお勧めします。
防寒・防水性に優れたウエアと帽子・手袋・ブーツがセットになっており、アウトドア系オプショナルツアーに参加する場合やちょっとした外出にも役立ちます。実際は殆どの方がずっと着たままです。
防寒具を着たうえで、顔を保護します。頭、耳、顔、とにかく外気に触れる皮膚を全てカバーすることが重要です。
目出し帽があれば完璧ですが、わざわざ買うのをためらわれる方は、マフラーなどでも代用できます。


夏・秋(8-10月)
原則としてレンタル防寒具のシステムがないのでご自身のウエアで対処が必要です。
ベックスケンネルの場合は事前に予約のうえ、ジャケットだけレンタルが可能です。特にクルーズでオーロラ鑑賞の場合はあった方がよいと思います。

北欧


北欧は気候的に大枠で2つに分けて考える必要があります。

フィンランド・スウェーデン・ノルウェーのアルタ(ノルウェー北部)・グリーンランド
気温の低さは北米に匹敵します。
厳冬期は-30℃前後を想定した防寒・防風対策が必要です。
内陸部は雪が深い場合があるのでブーツがあるとよいです。

トロムソを含む沿岸部(ノルウェー)・アイスランド
いずれも気温的には穏やかで日本の秋田市くらいと言われます。冬季も雨が降るため、ウエアには防水性が求められます。
また、地形的に吹きっさらしのアイスランド、海からの風を真っ向に受けるノルウェー沿岸部共に、風が強い場合が多く、この風により実際の気温より体感温度がはるかに下がります。
これらの点を考慮した防寒・防水・防風対策が必要です。
雪が深く積もることは少なく、路面の凍結には注意が必要。

鑑賞スタイル

ツアーに参加する


暖かい室内で飲物や軽食を摂りながら待機し、オーロラが出ればガイドが教えてくれるので見逃す心配がありません。
鑑賞地は町の明かりを離れた郊外、視界が開けた場所が選ばれます。
イエローナイフのような設備の整った施設は例外的で、多くはコテージやテント、夜は使わない施設など暖のとれる場所を利用します。一定の場所は持たず雲の切れ目を求めて車を走らせるスタイルなどもあります。

宿泊先・町はずれで


自由気ままにオーロラ・ハンティングするなら、街の灯りから遠い自然の中の小規模な宿泊先で。
町の規模が小さければ町はずれでも鑑賞できます。 ツアーに参加するのと違い、自力で“ハンティング”するスタイルなので、自由がきく代わりに寝てしまって見逃す可能性もあります。
また、エリアや時期によっては、寒すぎて戸外待機がままならないことも。
あまりこだわらずに、自然な遭遇を期待したいものです。

宿泊地 ツアー 宿泊先で 町はずれで
日本語 英語
イエローナイフ -- ------ ---
ホワイトホース(市内又は郊外) --- --- ---
フェアバンクス(市内又は郊外) ---
サーリセルカ --- ---
レヴィ --- ---
ロヴァニエミ --- ○ホテルによる
キルナ(リパン) --- ---
アビスコ --- --- ---
トロムソ --- ○ホテルによる
レイキャヴィーク --- ---
イルリサット --- --- ○ホテルによる
カンゲルルススアーク --- ---

船上で

ノルウェーの沿岸急行船

この航路は物資輸送も兼ねた定期船で、本来は観光のためのクルーズシップではありません。派手なイベントやアトラクションは無く、服装もディナータイムなども含めカジュアルスタイルで大丈夫。何よりも世界で一番美しいと言われる風景こそが、この船の命です。
ベルゲンからキルケネスまでを往復12日間で毎日航行しており、北極圏以北の航海では9月から3月頃にはオーロラが観測できます。
夜の海上は、この上なく真っ暗。時間の制限無く夜の間中オーロラに出会える可能性があり、しかも出たら知らせてくれるという、これ以上は無いほどの条件を備えています。
航海なので老若男女無理なく楽しめますし、とっておきの大変お勧めのスタイルです。
問題は船の揺れ。多少の揺れがありますので、写真撮影には苦労するかもしれません。


データ

気温比較(1月)

観賞地 最高気温(℃) 最低気温(℃)
暖かい











寒い
レイキャビク
(アイスランド)
-2 -3
トロムソ
(ノルウェー)
-2 -7
キルナ
サーリセルカ
(フィンランド)
-10 -19
ホワイトホース
(カナダ)
-13 -33
フェアバンクス
(アラスカ)
-19 -28
イエローナイフ
(カナダ)
-23 -31
チャーチル
(カナダ)
-24 -33

月別気温

 - : データなし

  レイキャビク トロムソ サーリセルカ キルナ
最高(℃) 最低(℃) 最高(℃) 最低(℃) 最高(℃) 最低(℃) 最高(℃) 最低(℃)
1月 -2 -3 -2 -7 -10 -19 -10 -19
2月 3 -2 -2 -7 -9 -18 -9 -18
3月 3 -2 0 -5 -4 -14 -4 -14
4月 6 0 3 -2 - - 1 -8
5月 9 4 8 2 - - 7 -1
6月 12 7 13 6 - - 14 5
7月 13 8 15 9 - - 17 7
8月 13 8 14 8 - - 14 6
9月 10 5 9 4 - - 8 1
10月 5 1 5 1 -5 -12 2 -5
11月 3 -1 1 -3 -8 -17 -5 -12
12月 2 -3 -1 -5 - - -8 -17

 - : データなし

  ホワイトホース フェアバンクス イエローナイフ
  最高(℃) 最低(℃) 最高(℃) 最低(℃) 最高(℃) 最低(℃)
1月 -13 -22 -19 -28 -23 -31
2月 -9 -19 -14 -26 -19 -28
3月 -1 -12 -5 -19 -11 -23
4月 6 -5 5 -6 0 -11
5月 13 1 15 3 11 1
6月 19 5 21 10 18 9
7月 21 8 22 11 21 12
8月 19 6 19 8 18 10
9月 12 2 13 2 10 4
10月 4 -3 0 -8 1 -4
11月 -6 -13 -12 -21 10 -18
12月 -11 -19 -17 -26 -20 -28

緯度と経緯

各月15日のデータ。緯度・経度・標高を元にした数値
★:ポーラーライト~太陽が地平線から上に昇らない時期
☆:ミッドナイトサン~太陽が沈まない時期

  トロムソ
緯度69°
キルナ
緯度68°
ロヴァニエミ
緯度66°
レイキャビク
緯度64°
日出 日没 日出 日没 日出 日没 日出 日没
1月 11:17 12:34 09:45 13:54 10:09 14:48 08:00 13:28
2月 08:18 15:45 07:47 16:02 08:23 16:45 06:30 15:08
3月 06:07 17:46 05:51 17:49 06:32 18:25 04:51 16:37
4月 03:45 19:51 03:41 19:42 04:30 20:10 03:01 18:10
5月 00:51 22:43 01:16 22:02 02:26 22:08 01:17 19:46
6月 01:01 21:09
7月 01:30 23:15 00:46 20:32
8月 02:51 20:46 02:54 20:32 03:48 20:56 02:25 18:50
9月 05:01 18:20 04:50 18:18 05:34 18:52 03:56 17:01
10月 06:57 16:05 06:34 16:16 07:11 16:56 05:23 15:15
11月 09:24 13:37 08:33 14:15 09:02 15:03 07:01 13:36
12月 10:29 12:42 10:40 13:48 08:19 12:40
※下記は正確なデータがないため緯度を参考にしてください。
サーリセルカ65.7°、フェアバンクス64.5°、イエローナイフ62°、ホワイトホース60°、チャーチル58°

月の運行

一般的には新月の頃がオーロラ鑑賞には適していますが、 強いオーロラが出れば月の明るさに負けず、両者が融合した見事な光景が見られる場合もあります。
ただし、町灯りを完全に避けられない場所でオーロラ・ハントする場合は、新月の頃を選ばれた方がよいかもしれません。

  2016年 2017年
新月 満月 新月 満月
1月 01/09 01/23 01/27 01/12
2月 02/08 02/22 02/26 02/10
3月 03/08 03/23 03/27 03/12
4月 04/07 04/21 04/26 04/11
5月 - - - -
6月 - - - -
7月 - - - -
8月 08/02 08/18 08/21 08/07
9月 09/01 09/16 09/19 09/06
10月 10/30 10/15 10/19 10/05
11月 11/29 11/14 11/03 11/18
12月 12/29 12/13 12/18 12/03

オーロラに出会えますように!

オーロラ鑑賞地では、ほとんど毎年のように「今年は異常」と言われるほど、天候はつかみどころがありません。 天候は神のみぞ知る、自然の営みです。
良いと言われるシーズンを選んでも、天候に恵まれないこと(その逆もまた)はあります。
それでも、事前の準備はしっかりと!情報を集めて、できる限り高い確率でオーロラを待ちたいものです。皆さまが素晴らしいオーロラに出会えますように!